建物の区分所有等に関する法律

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制定 昭和37年4月4日 法律第 69号
改正 昭和58年5月21日 法律第 51号
昭和63年12月30日 法律第108号
 
最終改正 平成14年12月11日 法律第140号
平成14年12月11日  法律第140号(施行日平成15年6月1日)

第1章 建物の区分所有第2章 団地第3章 罰則附 則


第1章 建物の区分所有
第1節  総則
(建物の区分所有)
第1条 1棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舖、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。
(定義)
第2条 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第4条第2項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。
この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。
この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。
この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第4条第2項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。
この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地および第5条第1項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。
この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。
(区分所有者の団体)
第3条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。
(共用部分)
第4条 数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。
第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。
 この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(規約による建物の敷地)
第5条 区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときも、同様とする。
(区分所有者の権利義務等)
第6条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
第1項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。
(先取特権)
第7条 同区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
民法(明治29年法律第89号)第319条の規定は、第1項の先取特権に準用する。
(特定承継人の責任)
第8条 前条第1項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。
(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定)
第9条 建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。
(区分所有権売渡請求権)
第10条 敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。



第2節 共用部分等
(共用部分の共有関係)
第11条 共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第27条第1項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることができない。
民法第177条の規定は、共用部分には適用しない。
第12条 共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、その共用部分の共有については、次条から第19条までに定めるところによる。
(共用部分の使用)
第13条

各共有者は、共用部分をその用法に従って使用することができる。

(共用部分の持分の割合)
第14条 各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
前2項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
前3項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
(共用部分の持分の処分)
第15条 共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。
(一部共用部分の管理)
第16条 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は第31条第2項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。
(共用部分の変更)
第17条 共用部分の変更(改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。
(共用部分の管埋)
第18条 共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
前条第2項の規定は、第1項本文の場合に準用する。
共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。
(共用部分の負担及び利益収取)
第19条 各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
(管理所有者の権限)
第20条 第11条第2項の規定により規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。
前項の共用部分の所有者は、第17条第1項に規定する共用部分の変更をすることができない。
(共用部分に関する規定の準用)
第21条 建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、第17条から第19条までの規定は、その敷地又は附属施設に準用する。



第3節 敷地利用権
(分離処分の禁止)
第22条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は、第14条第1項から第3項までに定める割合による。ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。
前2項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合に準用する。
(分離処分の無効の主張の制限)
第23条 前条第1項本文(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができない。
 ただし、不動産登記法(明冶32年法律第24号)の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、その処分がされたときは、この限りでない。
(民法第255条の適用除外)
第24条 第22条第1項本文の場合には、民法第255条(同法第264条において準用する場合を含む。)の規定は、敷地利用権には適用しない。



第4節 管理者
(選任及び解任)
第25条 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる。
管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。
(権限)
第26条 管理者は、共用部分並びに第21条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第18条第4項(第21条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額の請求及び受領についても、同様とする。
管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第2項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
管理者は、前項の規約により原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなけらばならない。この場合には、第35条第2項から第4項までの規定を準用する。
(管理所有)
第27条 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
第6条第2項及び第20条の規定は、前項の場合に準用する。
(委任の規定の準用)
第28条 この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。
(区分所有者の責任等)
第29条 管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、第14条に定める割合と同一の割合とする。ただし、規約で建物並びにその敷地及び附属施設の管理に要する経費につき負担の割合が定められているときは、その割合による。
前項の行為により第三者が区分所有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行うことができる。



第5節 規約及び集会
(規約事項)
第30条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。
前2項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。
(規約の設定、変更及び廃止)
第31条 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
前条第2項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。
(公正証書による規約の設定)
第32条 最初に建物の専有部分の全部を有する者は、公正証書により、第4条第2項、第5条第1項並びに第22条第1項ただし書及び第2項ただし書(これらの規定を同条第3項において準用する場合を含む。) の規約を設定することができる。
(規約の保管及び閲覧)
第33条 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。
前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。
規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
 (集会の招集)
第34条 集会は、管理者が招集する。
管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。
区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
前項の規定による請求がされた場合において、2週間以内にその請求の日から4週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかったときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。
管理者がないときは、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
(招集の通知)
第35条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第40条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の1人)にすれば足りる。
第1項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかったときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第1項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。
第1項の通知する場合において、会議の目的たる事項が第17条第1項、第31条第1項、第61条第5項、第62条第1項又は第68条第1項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。
(招集手続の省略)
第36条 集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
(決議事項の制限)
第37条 集会においては、第35条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。
前2項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。
(議決権)
第38条 各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第14条に定める割合による。
(議事)
第39条 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。
議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。
(議決権行使者の指定)
第40条 専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。
(議長)
第41条 集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の1人が議長となる。
(議事録)
第42条 集会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。
議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名押印しなければならない。
第33条の規定は、議事録に準用する。
(事務の報告)
第43条 管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。
(占有者の意見陳述権)
第44条 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。
前項に規定する場合には、集会を招集する者は、第35条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所及び会議の目的たる事項を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
(書面決議)
第45条 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面による合意があったときは、集会の決議があったものとみなす。
第33条の規定は、前項の書面に準用する。
(規約及び集会の決議の効力)
第46条 規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。
占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。



第6節 管理組合法人
(成立等)
第47条 第3条に規定する団体で区分所有者の数が30人以上であるものは、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる。
前項の規定による法人は、管理組合法人と称する。
この法律に規定するもののほか、管理組合法人の登記に関して必要な事項は、政令で定める。
管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗することができない。
管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。
管理組合法人は、区分所有者を代理して、第18条第4項(第21条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額を請求し、受領することができる。
民法第43条、第44条、第50条及び第51条の規定は管理組合法人に、破産法(大正11年法律第71号)第127条第2項の規定は存立中の管理組合法人に準用する。
第4節及び第33条第1項ただし書(第42条第3項及び第45条第2項において準用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には適用しない。
管理組合法人について、第33条第1項本文(第42条第3項及び第45条第2項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定を適用する場合には第33条第1項本文中「管理者が」とあるのは「理事が管理組合法人の事務所において」と、第34条第1項から第3項まで及び第5項、第35条第3項、第41条並びに第43条の規定を適用する場合にはこれらの規定中「管理者」とあるのは「理事」とする。
10 管理組合法人は、法人税法(昭和40年法律第34号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第2条第6号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第37条の規定を適用する場合には同条第3項及び第4項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(管理組合法人を除く。)」と、同法第66条の規定を適用する場合には同条第1項及び第2項中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第3項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(管理組合法人を除く。)」とする。
11 管理組合法人は、消費税法(昭和63年法律第108号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第3に掲げる法人とみなす。
(名称)
第48条 管理組合法人は、その名称中に管理組合法人という文字を用いなければならない。
管理組合法人でないものは、その名称中に管理組合法人という文字を用いてはならない。
(理事)
第49条 管理組合法人には、理事を置かなければならない。
理事は、管理組合法人を代表する。
理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
前項の規定は、規約若しくは集会の決議によって、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によって管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。
理事の任期は、2年とする。ただし、規約で3年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事が就任するまで、なおその職務を行う。
第25条、民法第52条第2項及び第54条から第56条まで並びに非訟事件手続法(明治31年法律第14号)第35条第1項の規定は、理事に準用する。
(監事)
第50条 管理組合法人には、監事を置かなければならない。
監事は、理事又は管理組合法人の使用人と兼ねてはならない。
第25条並びに前条第5項及び第6項、民法第56条及び第59条並びに非訟事件手続法第35条第1項の規定は、監事に準用する。
(監事の代表権)
第51条 管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。
(事務の執行)
第52条 管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によって行う。ただし、この法律に集会の決議につき別の定数が定められている事項及び第57条第2項に規定する事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとすることができる。
前項の規定にかかわらず、保存行為は、理事が決することができる。
(区分所有者の責任)
第53条 管理組合法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、区分所有者は、第14条に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。ただし、第29条第1項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割合による。
管理組合法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかったときも、前項と同様とする。
前項の規定は、区分所有者が管理組合法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。
(特定承継人の責任)
第54条 区分所有者の特定承継人は、その承継前に生じた管理組合法人の債務についても、その区分所有者が前条の規定により負う責任と同一の責任を負う。
(解散)
第55条 管理組合法人は、次の事由によって解散する。
建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあっては、その共用部分)の全部の滅失
建物に専有部分がなくなったこと。
集会の決議
前項第3号の決議は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数でする。

民法第73条から第76条まで及び第78条から第82条まで並びに非訟事件手続法第35条第2項及び第36条から第37条ノ2までの規定は、管理組合法人の解散及び清算に準用する。

(残余財産の帰属)
第56条 解散した管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、第14条に定める割合と同一の割合で各区分所有者に帰属する。



第7節 義務違反者に対する措置
(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
第57条 区分所有者が第6条第1項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第1項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
前3項の規定は、占有者が第6条第3項において準用する同条第1項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。
(使用禁止の請求)
第58条 前条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第1項に規定する請求によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもって、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。
前項の決議は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数でする。
第1項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。
前条第3項の規定は、第1項の訴えの提起に準用する。
(区分所有権の競売の請求)
第59条 第57条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもって、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。
第57条第3項の規定は前項の訴えの提起に、前条第2項及び第3項の規定は前項の決議に準用する。
第1項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から6月を経過したときは、することができない。
前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買い受けの申出をすることができない。
(占有者に対する引渡し請求)
第60条 第57条第4項に規定する場合において、第6条第3項において準用する同条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもって、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。
第57条第3項の規定は前項の訴えの提起に、第58条第2項及び第3項の規定は前項の決議に準用する。
第1項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない。



第8節 復旧及び建替え
(建物の一部が滅失した場合の復旧等)
第61条 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる。ただし、共用部分については、復旧の工事に着手するまでに第3項又は次条第1項の決議があったときは、この限りでない。
前項の規定により共用部分を復旧した者は、他の区分所有者に対し、復旧に要した金額を第14条に定める割合に応じて償還すべきことを請求することができる。
第1項本文に規定する場合には、集会において、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。
前3項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
第1項本文に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、集会において、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。
前項の決議をした集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載しなければならない。
第5項の決議があったときは、その決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む。)以外の区分所有者は、決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。
第5項に規定する場合において、建物の一部が滅失した日から6月以内に同項又は次条第1項の決議がないときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。
第2項及び前2項の場合には、裁判所は、償還又は買取りの請求を受けた区分所有者の請求により、償還金又は代金の支払につき相当の期限を許与することができる。
(建替え決議)
第62条 老朽、損傷、一部の滅失その他の事由により、建物の価額その他の事情に照らし、建物がその効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに至ったときは、集会において、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、建物の敷地に新たに主たる使用目的を同一とする建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
新たに建築する建物(以下「再建建物」という。)の設計の概要
建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
前号に規定する費用の分担に関する事項
再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
前項第3号及び第4号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
前条第6項の規定は、建替え決議をした集会の議事録に準用する。
(区分所有権等の売渡し請求等)
第63条 建替え決議があったときは、集会を招集した者は、遅滞なく、建替え決議に賛成しなかった区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。
前項に規定する区分所有者は、同項の規定による催告を受けた日から2月以内に回答しなければならない。
前項の期間内に回答しなかった第1項に規定する区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなす。
第2項の期間が経過したときは、建替え決議に賛成した各区分所有者若しくは建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により区分所有権及び敷地利用権を買い受けることができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から2月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含む。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。建替え決議があった後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、同様とする。
前項の規定による請求があった場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から1年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
建替え決議の日から2年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、第4項の規定により区分所有権又は敷地利用権を売り渡した者は、この期間の満了の日から6月以内に、買主が支払った代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。ただし、建物の取壊しの工事に着手しなかったことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなった日から6月以内にその着手をしないときに準用する。この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から6月以内に」とあるのは、「建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなったことを知った日から6月又はその理由がなくなった日から2年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
(建替えに関する合意)
第64条 建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意をしたものとみなす。



第2章 団地
(団地建物所有者の団体)
第65条

一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。

(建物の区分所有に関する規定の準用)
第66条 第7条、第8条、第17条から第19条まで、第25条、第26条、第28条、第29条、第30条第1項及び第3項、第31条第1項並びに第33条から第56条までの規定は、前条の場合に準用する。この場合において、これらの規定(第55条第1項第1号を除く。)中「区分所有者」とあるのは「第65条に規定する団地建物所有者」と、「管理組合法人」とあるのは「団地管理組合法人」と、第7条第1項中「共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設」とあるのは「第65条に規定する場合における当該土地若しくは附属施設(以下「土地等」という。)」と、「区分所有権」とあるのは「土地等に関する権利、建物又は区分所有権」と、第17条、第18条第1項及び第4項並びに第19条中「共用部分」とあり、第26条第1項中「共用部分ならびに第21条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設」とあり、並びに第29条第1項中「建物並びにその敷地及び附属施設」とあるのは「土地等並びに第68条の規定による規約により管理すべきものと定められた同条第1項第1号に掲げる土地及び附属施設並びに同項第2号に掲げる建物の共用部分」と、第17条第2項、第35条第2項及び第3項、第40条並びに第44条第1項中「専有部分」とあるのは「建物又は専有部分」と、第29条第1項、第38条、第53条第1項及び第56条中「第14条に定める」とあるのは「土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の」と、第30条第1項及び第46条第2項中「建物又はその敷地若しくは附属施設」とあるのは「土地等又ば第68条第1項各号に掲げる物」と、第33条第3項、第35条第4項及び第44条第2項中「建物内」とあるのは「団地内」と、第46条第2項中「占有者」とあるのは「建物又は専有部分を占有する者で第65条に規定する団地建物所有者でないもの」と、第47条第1項中「第3条」とあるのは「第65条」と、第55条第1項第1号中「建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあっては、その共用部分)」とあるのは「土地等(これらに関する権利を含む。)」と、同項第2号中「建物に専有部分が」とあるのは「土地等(これらに関する権利を含む。)が第65条に規定する団地建物所有者の共有で」と読み替えるものとする。
(団地共用部分)
第67条 一団地内の附属施設たる建物(第1条に規定する建物部分を含む。)は、前条において準用する第30条第1項の規約により団地共用部分とすることができる。この場合においては、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
一団地内の数棟の建物の全部を所有する者は、公正証書により、前項の規約を設定することができる。
第11条第1項本文及び第3項並びに第13条から第15条までの規定は、団地共用部分に準用する。この場合において、第11条第1項本文中「区分所有者」とあるのは「第65条に規定する団地建物所有者」と、第14条第1項及び第15条中「専有部分」とあるのは「建物又は専有部分」と読み替えるものとする。
(規約の設定の特例)
第68条 次の物につき第66条において準用する第30条第1項の規約を定めるには、第1号に掲げる土地又は附属施設にあっては当該土地の全部又は附属施設の全部につきそれぞれ共有者の4分の3以上でその持分の4分の3以上を有するものの同意、第2号に掲げる建物にあってはその全部につきそれぞれ第34条の規定による集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議があることを要する。
一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)
当該団地内の専有部分のある建物
第31条第2項の規定は、前項第2号に掲げる建物の一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての同項の集会の決議に準用する。



第3章 罰則
第69条 次の各号の1に該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、10万円以下の過料に処する。
第33条第1項本文(第42条第3項及び第45条第2項(これらの規定を第66条において準用する場合を含む。)並びに第66条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)又は第47条第9項(第66条において準用する場合を含む。)において読み替えて適用される第33条第1項本文の規定に違反して、規約、議事録又は第45条第1項(第66条において準用する場合を含む。)の書面の保管をしなかったとき。
第33条第2項(第42条第3項及び第45条第2項(これらの規定を第66条において準用する場合を含む。)並びに第66条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がないのに、前号に規定する書類の閲覧を拒んだとき。
第42条第1項又は第2項(これらの規定を第66条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、議事録を作成せず、又は議事録に記載すベき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしたとき。
第43条(第47条第9項(第66条において準用する場合を含む。)において読み替えて適用される場合及び第66条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第47条第3項(第66条において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令に定める登記を怠ったとき。
第47条第7項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民法第51条第1項の規定に違反して、財産目録を作成せず、又は財産目録に不正の記載をしたとき。
理事若しくは監事が欠けた場合又は規約で定めたその員数が欠けた場合において、その選任手続を怠ったとき。
第55条第3項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民法第79条第1項又は第81条第1項の規定による公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。
第55条第3項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民法第81条第1項の規定による破産宣告の請求を怠ったとき。
第55条第3項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民法第82条第2項の規定による検査を妨げたとき。
第70条 第48条第2項(第66条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、5万円以下の過料に処する。



附 則 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和38年4月1日から施行する。
第17条及び第24条から第34条まで(第36条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定は、前項の規定にかかわらず、公布の日から施行する。ただし、昭和38年4月1日前においては、この法律中その他の規定の施行に伴う準備のため必要な範囲内においてのみ、適用があるものとする。
(経過措置)
第2条 この法律施行の際現に存する共用部分が区分所有者のみの所有に属する場合において、第4条第1項の規定に適合しないときは、その共用部分の所有者は、同条第2項の規定により規約でその共用部分の所有者と定められたものとみなす。
この法律の施行の際現に存する共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合において、各共有者の持分が第10条の規定に適合しないときは、その持分は、第8条ただし書の規定により規約で定められたものとみなす。
この法律の施行の際現に存する共用部分の所有者が第4条第1項の規定の適用により損失を受けたときは、その者は、民法第703条の規定に従い、償金を請求することができる。
附 則(昭和58年5月21日法律第51号)抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和59年1月1日から施行する。
(建物の区分所有等に関する法律の一部改正に伴う経過措置の原則)
第2条 第1条の規定による改正後の建物の区分所有等に関する法律(以下「新法」という。)の規定は、持別の定めがある場合を除いて、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。
 ただし、同条の規定による改正前の建物の区分所有等に関する法律(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。
(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定に関する経過措置)
第3条 新法第9条の規定は、この法律の施行前に建物の設置又は保存の瑕疵により損害が生じた場合における当該瑕疵については、適用しない。
(共用部分に関する合意等に関する経過措置)
第4条 この法律の施行前に区分所有者が共用部分、新法第21条に規定する場合における当該建物の敷地若しくは附属施設又は規約、議事録若しくは旧法第34条第1項の書面の保管者についてした合意又は決定(民法第251条又は第252条の規定によるものを含む。以下この条において同じ。)は、新法の規定により集会の決議で定められたものとみなす。この法律の施行前に新法第65条に規定する場合における当該土地又は附属施設に係る同条の所有者がこれらの物又は規約、議事録若しくは旧法第36条において準用する旧法第34条第1項の書面の保管者についてした合意又は決定も、同様とする。
(既存専有部分等に関する経過措置)
第5条 新法第22条から第24条までの規定は、この法律の施行の際現に存する専有部分及びその専有部分に係る敷地の利用権(以下「既存専有部分等」という。)については、この法律の施行の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日(昭和63年政令第334号により昭和63年12月28日)から適用する。ただし、次条第1項の指定に係る建物の既存専有部分等については、同項に規定する適用開始日から適用する。
第6条 法務大臣は、専有部分の数、専有部分及び建物の敷地に関する権利の状況等を考慮して、前条本文の政令で定める日前に同条本文に規定する規定を適用する既存専有部分等に係る建物及びこれらの規定の適用を開始すべき日(以下「適用開始日」という。)を指定することができる。
法務大臣は、前項の指定をするときは、あらかじめ、その旨を各区分所有者又は管理者若しくは管理組合法人の理事に通知しなければならない。
前項の規定による通知を発した日から1月内に4分の1を超える区分所有者又は4分の1を超える議決権を有する区分所有者が法務省令の定めるところにより意義の申出をしたときは、法務大臣は、第1項の指定をすることができない。
第1項の指定は、建物の表示及び適用開始日を告示して行う。
適用開始日は、前項の規定による告示の日から1月以上を経過した日でなければならない。
法務大臣は、区分所有者の4分の3以上で議決権の4分の3以上を有するものの請求があったときは、第1項の指定をしなければならない。この場合には、第2項及び第3項の規定は、適用しない。
第7条 法務大臣は、前条第4項の規定による告示をする場合において、区分所有者が数人で有する所有権、地上権又は賃借権に基づき建物及びその建物が所在する土地と一体として管理又は使用をしている土地があるときは、その土地の表示を併せて告示しなければならない。
前項の規定により告示された土地は、適用開始日に新法第5条第1項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。
前条第2項及び第3項の規定は、第1項の規定による告示について準用する。
第8条 附則第6条第1項の指定に係る建物以外の建物の既存専有部分等は、附則第5条本文の政令で定める日に、新法第22条第1項ただし書の規定により規約で分離して処分することができることと定められたものとみなす。
(規約に関する経過措置)
第9条 この法律の施行の際現に効力を有する規約は、新法第31条又は新法第66条において準用する新法第31条第1項及び新法第68条の規定により定められたものとみなす。
前項の規約で定められた事項で新法に抵触するものは、この法律の施行の日からその効力を失う。
(義務違反者に対する措置に関する経過措置)
第10条 この法律の施行前に区分所有者がした旧法第5条第1項に規定する行為に対する措置については、なお従前の例による。
(建物の一部滅失に関する経過措置)
第11条 新法第61条第5項及び第62条の規定は、この法律の施行前に旧法第35条第4項本文の規定による請求があった建物については、適用しない。
 附 則(昭和63年12月30日法律第108号)抄
(施行期日等)
第1条 この法律は、公布の日から施行し、平成元年4月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び同日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ並びに同日以後に保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税について適用する。
前項の規定にかかわらず、この法律のうち次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則第20条、第21条、第22条第3項、第23条第3項及び第4項、第24条第3項、第25条第2項から第4項まで、第27条から第29条まで、第31条から第45条まで、第46条(関税法第24条第3項第2号の改正規定に限る。)、附則第48条から第51条まで、第52条(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第14条を削る改正規定を除く。)並びに附則第53条から第67条までの規定 
平成元年4月1日


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